高専機構「理工系人材の早期発掘とダイバーシティ型STEAM教育強化」報告会開催

高専機構「理工系人材の早期発掘とダイバーシティ型STEAM教育強化」報告会開催

国立高等専門学校機構(高専機構)は、「理工系人材の早期発掘とダイバーシティ型STEAM教育強化」事業における令和4年度・5年度の2年間の取り組みについて、先進実践校とSTEAM人材像検討ワーキンググループによる報告会を2024(令和6)年3月21日(木)、22日(金)に一橋講堂中会議場にて開催しました。

STEAM人材像検討WG活動報告

この事業は、早期STEAM教育を通した人材育成および高専STEAMプログラム開発を目的として、高専におけるSTEAM教育の検討、構築、実践を行うもので、令和4年度から事業を開始しています。今回は、全国の国立高専のうち13高専・15事業による発表が行われました。

はじめに国立高等専門学校機構本部事務局の下田貞幸学務総括参事から「STEAM教育は非常に幅広いが、各高専の特色を活かしつつ行われている。このプロジェクトは来年度以降さらに発展させなければならない。皆さんの取り組みを通じて、学生の成長や育成される人材の質をしっかり追跡し、高専教育の素晴らしさを広く示すことが重要だと思います。その観点からも、引き続きお願いしたい」との開会挨拶が行われました。

続いて、「STEAM人材像検討ワーキンググループ(WG)活動報告」において、函館高専の下郡啓夫WG長から、WGがSTEAM教育を捉える方法を整理したことについて報告がありました。
「従来の教育のあり方をさらに進化させるためのSTEAMのAは、各高専の個性につながっていく。またSTEAM教育のコンピテンシーとして、メタ認知能力が必須で、さらに問題解決力、創造力、実装力、クリティカルな思考力、柔軟性、マネジメント力、調整力、決断力、交渉力などを提案しました。これからのSTEAM教育の実践で参考にしていただきたい。WGは各高専の先生の手伝いをする立場、主体は高専なので、今まで積み上げた各高専の実践を大切にして、サポートしたい」と述べました。

今後の展開としては、次の点が確認されました。

  • 令和4、5年度の最終報告書を参考にしてノウハウを共有し全国へ展開する。
  • 令和4、5年度の課題抽出、検討を基にシームレスな学びを構築する。
  • 入学前から卒業後のシームレスな学生の一連の学びをオープンバッジなどで可視化し
    ポートフォリオに活用する。
  • STEAM教育を効果的に行うことのできる教員を養成するためのFDを実践する。

13高専・15事業によるSTEAM教育の取り組み

西井靖博学務参事からは、13高専・15プログラムの内容はバラエティに富んでいるので、51高専で共有するのはすごく有益です、と報告会への期待が寄せられました。

今回報告会に臨んだのは、以下の13高専・15事業で、2日間にわたり各高専の担当教員から報告がありました。

函館高専 
グローバルマインドを入口とするSTEAMによるSDGs教育システムの構築と入試改革
八戸高専 
八戸高専STEAM教育支援センターを核とした地域総合理数教育の活性化
八戸高専 
八戸高専自主探究活動とそれを活用した入試制度の全国高専への展開※
小山高専 
地域密着・遠隔シナジーによる、ダイバーシティ型理工系人材の早期取り込み及び育成プログラム
石川高専 
ロボットプログラミング教育をベースとしたSTEAM教育支援
鈴鹿高専 
理工系人材の早期発掘とダイバーシティ型STEAM教育強化-伊勢の国から先導する新しいこども教育-
奈良高専 
異分野の学びから「感性と表現力」を磨くエンジ二アのためのアートデザイン教育プログラムの全国展開※
米子高専 
ワクワクを学びの中心に据えたSTEAM教育のための教材開発※
津山高専 
KOSEN理科教育パッケージの開発
徳山高専 
ST(R)EAM教育プログラムによる個別最適な学びと協働的な学びの一体的充実※
阿南高専 
KOSENIANを増殖させる「Online-KOSEN」
阿南高専 
沿岸部工業都市の事前復興まちづくりに寄与する防災STEAM×デザイン教育※
久留米高専 
久留米発STEAM女子の萌芽支援プロジェクト
北九州高専 
未来のSTEAM人材発掘・育成プロジェクトin北九州
佐世保高専 
地域の次世代を担うJrテクノロジストの早期発掘プロジェクト~高専学生をロールモデルとして~
(※は高専STEAM教育強化、無印は早期STEAM教育支援)

各事業の発表後には、同じ高専の方や近隣座席の方との意見交換をし、ワークショップのような形で進められました。続けて質疑応答の時間があり、活発な議論が交わされました。
また、取り組み内容をまとめたポスターが掲示され、ポスターセッション形式で個別情報交換も行われました。

クロージングの前に、オプンラボの小林より「今年はより具体的な実践が行われ、横とのつながりが育まれた授業をされているように思いました。例えば、アートとの連携が授業をより楽しくする要素として組み込まれ、学生も楽しんでいるので、他の高専でもこのような取り組みがうまく活用されると良いですね」という感想が述べられました。

2日間の報告会を受けて、西井学務参事から
「2年目はより発展した取り組みがなされていて、連携の大切さを感じるし、次へのモチベーションにつながっていると思います。各高専がSTEAM教育について真剣に考え、これまでの実践を振り返り、強化すべき点や学生の実践につながる工夫が感じられました。また、高専生を小中学校に連れていくことによる教育効果が高いという話がありましたが、実際に高専生が子供たちから学ぶことによる教育効果も非常に高い。実は高専生から先生も学んで、成長させてもらっている。学ぶことを重視する高専ならではのSTEAM教育が行われています。15プログラムの成果を全国の高専に還元し、2年間の素晴らしい取り組みを広く知らせていく使命を感じました。まだまだ道のりは長いですが、連携を重視し、高専全体でのSTEAM教育の構築を進めていきたい」とまとめの言葉がありました。

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