どうやって英語で本が読めるようになったか?

どうやって英語で本が読めるようになったか?

原書を読む。 vol.1

デジタルハリウッド大学大学院 橋本大也

橋本大也さんは、デジタルハリウッド大学大学院でメディアライブラリー館長を務めるほか、書評家としても年間何百冊もの書籍を読み、書評集を出版している「読書の専門家」です。英語で読書するようになったきっかけや、どうやったら英語で本が読めるようになるのか、おすすめ作品の選び方などについて伺いました。

英語で本を読むようになったきっかけ

もともと英語がそれほど得意だったわけではなく、数年前まで全く英語の本は読んでいませんでした。書評家として年間300~500冊の本を読んでいたのも、すべて日本語で書かれた作品です。それが今ではアメリカの書評SNSであるGoodreadsに投稿するようになり、つい最近では英語で書いた書評本も上梓しました。

英語で本を読むようになったのは、2016年にアメリカのテクノロジー系雑誌『WIRED』編集長のケビン・ケリー氏が来日した時に、私が講演手配をしたのがきっかけです。講演イベントそのものは大成功したものの、個人的には深い話ができず、手配するだけで終わってしまったことを悔やむ気持ちがありました。そのためネイティブと会話できる英語力が欲しいと思うようになり、ケリー氏の著作である『The In evitable』(邦題『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』)を原書で読むことにしたのです。原書での読書1冊目となったこの本は、読み終わるまでに1カ月かかりました。

その後も英語で本を読むことを続けているうちに、始めは英和辞典を参照しながら1日に2~3ページ程度読むレベルだったのが、1年後には英検1級合格、2018年からは英語で書評を書けるようになりました。

英語が上達するためには日常的に英語に触れることが大事

私が英語力を身に付けた方法は、何か特別なことをしたわけではなく、本を読んだだけです。読書を通じて素早く頭の中で英語を組み立てられるようになり、会話もできるようになりました。

英語で本を読むためには、TOEICで700点程度のレベルは必要です。そこに到達するまでの方法として学校での学習と同じように文法や単語から英語を勉強するのも悪くありませんが、意外とうまくいかないものです。コツコツと勉強していても、好きな本を読めるレベルにまで到達するのは容易ではありません。逆に、やさしい英語の本をたくさん読む「多読」に取り組むのがいいと思います。

「英語ができるようになった」と実感する瞬間は、2つあります。一つ目は、相手の目を見ながら会話をしていて気持ちが通じた瞬間、もう一つが、本を読んで内容を理解し感動した瞬間です。これは試験の問題が解けたり、事前に準備してスピーチができたりするのとは全く別の能力です。この力を身に付けるには読書をして、人と話すことが最高の学習方法だと思います。

一番簡単でおすすめの方法は、日常生活の中で日本語を使わないことです。私自身の経験として、英語が短期間で身に付いたのはそのおかげだと考えています。現在は、普段読む本も英語で、日本語の本はこの1年間で一冊も読んでいません。目にするニュースや新聞もほぼ英語。ノートを取るのも、日本語の単語をそのまま書き留めるので日本語も混じりますが、できるだけ英語で書くように心掛けています。

忙しい毎日を送る皆さんが、英語を勉強するために1日1時間確保するのはとても大変です。英語で自然に会話できるようになるためには、何千時間も必要だと言われています。それを毎日1~2時間勉強したとしても非常に長い時間がかかります。これでは目標までとても間に合わず、毎日7時間くらい費やす必要があるでしょう。しかし、そんなに勉強するのは難しい。では、どうすればよいかというと、日常の言葉をなるべく英語にします。海外に留学する人たちは、強制的に英語に囲まれる環境に身を置くので学習が早いとも言えます。

例えばインターネットを見る時にブラウザーを開いたら英語で表示されるようにするといった、ちょっとしたことで構いません。必要な情報で日本語は使えない状況になると、けっこう早く英語に慣れていけると思います。さらに英語の学習で一番良いのが本を読むことです。楽しみながら1日30分~1時間読むので、自然にそれが英語学習になるためです。

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